<aside> 📅 mis老人アドカレ2023 #2 7日目

</aside>

**本記は2023年に行った旅の記録である。**私が好む、事前の調査を最小限に留めたランダムウォークな旅行スタイルが反映されている。直感を頼りにし、偶然の出会いに身を委ねることで、予期せぬ発見がある。定番の観光地に焦点を当てず、むしろ私が個人的に感じた魅力ある場所や、それぞれの都市特有のシステム、生活を掘り下げて紹介する。

さらに、読者が同様の経験をより容易に再現できるよう、あるいは意図的に避けたい場合に備えて、具体的な移動ルートもなるべく詳細に記述する。これは、単に情報を提供するだけでなく、読者自身が旅のプランニングを行う際の参考となることを目指している。

<aside> 🔖 目次

</aside>

春のロンドン編

戴冠式とストライキ

ロンドンへの訪問は、仕事がきっかけだった。訪問1週間前に突貫で予定が決まる弾丸スケジュールであったことに加え、ちょうど航空会社がストライキを行っていて予約した便が欠航になる等といった様々なトラブルを抱えつつ、予定から一日遅れてヒースロー空港へ到着した。(ヨーロッパ圏は頻繁にストライキをするため日程に注意?)

欧州、大規模ストで空路混乱 英国王の戴冠式に影響も

街中は祝賀ムードに包まれ、ほとんどすべての土産物に祝いの文字が刻まれていた。5月初旬に国王・チャールズ3世の戴冠式が行われる運びとなっていたのだ。あちこちで特別なキャンペーンやイベントが催され、ロンドン全体が一つの大きな祭りのような雰囲気に満ちていた。

戴冠式特別パッケージの紅茶たち。大量に買ってしまったためまだ家に在庫として抱えている。

戴冠式特別パッケージの紅茶たち。大量に買ってしまったためまだ家に在庫として抱えている。

何とかUberを捕まえて市内に到着し、ひと時の宿として骨をうずめたのはこちらのホテルだ。マリオット信者として、貧乏旅行でない限りはできるだけマリオット系列を選ぶことにしている。滞在中に感じたことの一つは、テムズ川を越えると治安が変わるような印象を受けたことだ。実際、ホテル近くの公園を夜間に散歩してみると、ストリート系の少年たちがほのかに草の香りを漂わせながら、スケートボードで遊んでいる光景を目にすることができる…

ロンドンのオフィスワーカー

到着の翌日からは仕事が主であったが。現地の人に街での暮らしぶりを聞くことができた。多くのオフィスワーカーは郊外から電車で30分から1時間かけて通勤しているそうだ。都心から少し離れると、家賃はぐっと安くなり、広い家も手に入る。「まぁ、俺はこの近くに住んでるからチャリできてるんだけどさ」とニヤリと話していた彼をよく覚えている(後日その彼とは日本で再会することになるのだが、それはまた別の話。)ロンドンの地下鉄システムは非常によく整備されており、クレジットカード、Apple Pay、Google Payなどのコンタクトレス決済も利用できた。(日本でいうSuicaのようなICカードも整備されていたが、クレジットカードが完全に機能していたので使う機会はなかった。)

ロンドン地下鉄。躍動感のある画像しかなかった。

ロンドン地下鉄。躍動感のある画像しかなかった。

食事についていうと、ロンドンで一人で食事をするのはある程度の挑戦であった。昼時には家族連れやグループで賑わい、日本のようにスタッフが丁寧に席に案内してくれることは稀だ。一人静かに食事を楽しむ場所を探すのは、思った以上に難しいことが多かった。

そんな中、私が頻繁に訪れたのがPret A Mangerだった。ベトナム国旗のような赤い背景に星マークが目印のこのカフェは、町中に点在しており、探すのに苦労することはなかった。棚に並ぶさまざまなサンドイッチやスナックを自由に選んで食べられる「Grab and Eat」スタイルは、忙しいロンドンでの生活にぴったり合っていた。コーヒーもとても美味しく、私のロンドン滞在中のほとんどの朝食は、このプレットで満たされたといっても過言ではない。

通勤時間帯のロンドン。金融街へ向かうオフィスワーカーがコーヒーをテイクアウトしている

通勤時間帯のロンドン。金融街へ向かうオフィスワーカーがコーヒーをテイクアウトしている

Pret A Manger - Fresh Coffee, Sandwiches & Hot Breakfast Meals | Pret A Manger

もちろん、複数人で食事をするタイミング(たいてい夜だが)には現地のパブへ行った。そこそこ雨が降る中、パブからあふれ出した人々が店の外でも酒を飲んでおり涙を禁じえなかった。